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診療のあり方④診療ガイドライン

診療ガイドラインという言葉を聞いた事もお有りかと思う。日本では、日本病院医療機能評価機構が厚生労働省の委託事業として、その作成や普及を2002年から行っている。その事業概要は以下のとおりとなっている。


EBM普及推進事業(Minds)は、質の高い診療ガイドラインの普及を通じて、患者と医療者の意思決定を支援し、医療の質の向上を図ることを目的としています。具体的には、患者と医療者が、充分に科学的合理性が高いと考えられる診療方法の選択肢について情報を共有し、患者の価値観・希望や、医療者としての倫理性、社会的な制約条件等を考慮して、患者と医療者の合意の上で、最善の診療方法を選択できるように、診療ガイドラインおよびその関連情報を提供することで情報面からの支援をするものです。(Mindsガイドラインライブラリーのページより抜粋)


このガイドラインでは、病気を確定するための診断手順や検査、治療方法等が記載されている。もちろん、その病気の標準的な対処方法であり、同じ病名でも人によっては異なる方法でのアプローチする場合もある。


しかしながら、標準ガイドラインを知らないとか、それを完全に横に置いて診療をする事は誤診につながるものであると私は思っている。私もたくさんの不十分な事例を見て来た。例えば認知症の診断を確定する時には、甲状腺機能低下症のスクリーニングを行うという事が必要とされているが、実は余りこのスクリーニングがされていない。


そのため、認知症の診断時には甲状腺機能低下症の検査をもっとして欲しいと通達が出た程である。その通達が出たのは数年前の事であるが、未だ実施していない事例も見ている。甲状腺に問題があるのに、認知症と診断され認知症の薬を飲み続けていた事例も報告されいる。悲しい事である。診療のあり方としては、標準ガイドラインに沿った診療が求められる。AI診療が普及すると、こういった事も改善されるのでは無いかと思うがまだもう少し先の事であろう。


photo-ac.com/からの画像

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